公安とNTTコムを仲違いさせたオウム信者

2002年1月号
カテゴリ: IT・メディア 社会
エリア: 日本

 警視庁公安部とNTTの関係が悪化している。「みずほフィナンシャルグループ」の資金決済システムに関するデータを、開発中の「NTTコミュニケーションズ」から持ち出したとして、公安部が昨秋、オウム真理教の出家信者(二七)を背任容疑で逮捕した事件をめぐってである。 港区内のコンピューターソフト開発会社の契約社員だった信者はNTTコムの開発作業の下請けに入り、みずほから受注していた決済システムの保守管理に携わっていた。公安部は「信者はシステムの機密資料を自分のハードディスクに記録して東日暮里の教団ソフト開発関連施設に持ち込み、NTTコムに対して侵入防止装置の変更など業務に支障をきたす損害を与えた」と認定して逮捕に踏み切った。しかし逮捕から十日後、東京地検は処分保留で信者を釈放。「ディスクを持ち帰った先が教団施設なのか住居なのかの認定が曖昧だった」と検察筋は語る。 これに対し公安部幹部は「NTTが被害届を出さなくて起訴できなかった」と語る。一方のNTTコム側は、「持ち出された資料は機密ではない。それで背任の被害届を出せと言われても……」と困惑顔だが、オウムとのトラブルを恐れたのか。

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