分子生物学の権威はなぜ死んだのか?

2002年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 米国を襲った一連の炭疽菌テロ事件の捜査は進まず、迷宮入りも囁かれる一方で、ノーベル賞の候補にまでなったハーバード大学の分子生物学者が行方不明となり、遺体で発見された事件が注目を集めている。 昨年十一月十五日、学会に出席するためにテネシー州メンフィスに向かったドン・ワイリー博士が、空港で借りたレンタカーをミシシッピー川近くに置いたまま突然失踪し、年末に発見された遺体が一月八日に博士のものと確認された。一部では自殺の可能性が指摘されているが、ハーバード大学のある教授によると、遺書はなく、自殺する理由もまったくないという。 ワイリー博士は、一九九九年に日本国際賞を受賞するなど、世界的に知られた分子生物学者であり、HIVウイルス、エボラウイルスなどを研究していた。FBI(米連邦捜査局)は、ワイリー博士がテロに使われた炭疽菌についても最高水準の専門家ということを考慮し、失踪直後から、秘密裡に捜査を行なっていた。ハーバード大学の学生の間では、ワイリー博士の失踪の背景には生物化学兵器を使用しようとするテロ集団との関係があるという噂が流れている。死の理由は依然として不明だ。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順