「ソフトなロシア」が最後まで手放さない外国基地

2002年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: ロシア

 昨年十月十七日、プーチン大統領がキューバ領内のレーダー基地とベトナムのカムラン湾にある海軍支援基地の閉鎖を発表した。旧ソ連領以外にある軍事施設の閉鎖は、アフガン攻撃における米ロの急接近とともに本格的な宥和時代突入の象徴とも言われた。 しかし、今回の閉鎖発表でプーチン大統領は全く触れなかったが、ロシアはもう一つ他国領に軍事施設を残している。シリアのタルトゥス海軍施設である。米ソ冷戦時代には、地中海におけるソ連海軍の拠点となり、今でも顧問軍隊として約五百人のロシア軍が駐留しているといわれている。 アメリカを監視し続けてきたキューバのレーダー基地と八〇年代には旧ソ連の太平洋艦隊が常駐していたカムラン湾の海軍基地から撤退するにもかかわらず、シリアの施設だけは手放さない――。 これは、ロシアがシリアに隣接するイラクに有望で莫大な石油利権を保有しているためである。さらには今後、国際問題の中心となっていく中東に拠点を残すことで、あくまでも大国として積極的に関与、影響を及ぼしていきたいという思惑の現れでもある。

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