フローラン・ダバディー氏が語る日本とW杯

執筆者:生島淳 2002年1月号
カテゴリ: スポーツ

「丁髷を結ったトルシエの通訳」と聞けば、誰もがその風貌と語り口を思い出すだろう。フローラン・ダバディー氏、二十七歳。来るべきサッカーW杯でも、監督の言葉を日本語にして伝える役割りを担う。 しかし通訳という肩書きは彼の一部分でしかない。本職は映画誌の編集者。一方でトルシエ監督のパーソナル・アシスタントを務め、昨年九月には『「タンポポの国」の中の私』(祥伝社刊)を上梓した。 この本が滅法面白い。サッカーの話だけと思いきや、さにあらず。彼が考える比較文化論が展開されている。グローバリゼーションが進む二十一世紀、日本人はいかにして「黒船」以来とも言える衝撃に備えるべきなのか。そして政治的、経済的にボーダーレス化が進む時代に、スポーツにも同様に国籍が意味を持たない時代が到来するだろうと彼は予言する。「EU、ユーロ。大きな実験です。もちろん困難はありますが、成功すればこれ以上の体制は望めません。サッカーのW杯も形態が変わると思います。特にサッカーは国籍と所属するクラブは国境を超えています。ナショナリズムではもう把握できないんですよ。これからは、レジデント、その国に住む人たちが国を代表して戦うW杯なら意義があると思いますが」

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執筆者プロフィール
生島淳 1967年生れ。広告代理店勤務を経て93年よりライターとして活躍。著書に『大国アメリカはスポーツで動く』(新潮社)など。
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