ドイツ特殊部隊がクウェートに展開する理由

2002年2月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ 中東

 ブッシュ大統領による「悪の枢軸」演説で、「テロ支援国家」への米国の対応に注目が集まるなか、ドイツが興味深い動きを見せている。これまでアフガニスタンに展開していた部隊が一月中旬、秘密裡にクウェートに移動したのだ。 この部隊はABC(核・生物・化学)兵器が用いられる戦闘に対応可能で、人やモノ、建築物などの汚染除去も行なう特殊部隊。この先遣隊に続いて、二月には同様の能力を備えたドイツ兵二百五十名が、米軍などとの共同訓練に参加するため、クウェートに増派される。 この独ABC部隊の装備で今回注目すべきなのは、ダイムラーベンツ製の装甲車、TPz1。「フックス(狐)」と呼ばれるこの車両は、ABC兵器による周辺汚染の探知・測定が可能な最新機器が搭載された「走る実験室」だ。 こうした装備を持つ部隊がクウェートに展開するのはなぜか。米国が「悪の枢軸」のなかでも強く敵視するイラクに対し、いつでも軍事行動を起こせるよう同盟国とともに用意を整えていると見るべきだろう。クウェートにはすでに八千名規模の米軍が駐留しており、ドイツ軍部隊の参加で、対イラク作戦の地歩がさらに固まることは間違いない。

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