米中の角逐を呼び起こすベトナム・カムラン湾基地

執筆者: 2002年2月号
エリア: 北米 アジア

 ブレア米太平洋軍司令官が二月初め、ベトナム南部のカムラン湾海軍基地の米艦使用に向け、ベトナムと交渉していることを公表、米海軍のアジアでの広域展開戦略の一環と注目されている。 米軍は現在、グアムの海・空軍基地の拡充工事を進めている。シンガポールは二年前、米側の要請で港湾施設を拡張、米空母の横付けを可能にした。米国はフィリピンともスービック海軍基地の再利用を交渉しており、インドネシアにも米艦寄港を働き掛けている。域内への展開強化は、(1)将来的な在日米海軍基地の縮小(2)沖縄の海兵隊移転(3)アジアとペルシャ湾岸を結ぶ米軍の広域展開能力強化(4)中国の海軍力強化への対抗――などの理由が指摘されている。

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