接近する米国とリビアそれぞれの思惑

2002年2月号
カテゴリ: 国際
エリア: アフリカ 中東 北米

 アメリカのブッシュ政権とカダフィ大佐の独裁国家リビアが、昨年秋の同時多発テロを契機に奇妙な接近を試みている。 米国は昨年十一月、アフガニスタン攻撃に伴いタリバン政権に拘束されていた米国人二人を含む援助活動家らを救出したが、この背後では、実はカダフィ大佐の息子が運営する慈善事業団体が動いていたと伝えられる。大佐は、タリバン陣営に参加したアラブ人義勇兵の後ろ盾を自任しており、人質解放に向けタリバンへの影響力を行使したとの見方が有力なのだ。 さらに、一九八八年にリビアの工作員が米パンナム機を爆破した事件でも、バーンズ米国務次官補がロンドンなどでリビア側と秘密接触を繰り返している。関係者によると、リビア政府が責任を認め、最大六十億ドルの賠償金を支払う方向で調整が進んでいるというのだ。 一連の対米接近でリビアが狙うのは、テロ支援国リストからの除外と国連制裁の解除。現に、ブッシュ大統領は一般教書演説で「悪の枢軸」として北朝鮮、イラク、イランを名指ししたが、リビアには言及しなかった。将来のイラク攻撃を視野に入れたうえでの、アラブ世界懐柔策の一環とも見られている。

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