株式投資の神様が来た

執筆者:梅田望夫 2002年2月号
カテゴリ: IT・メディア 金融

「株式投資の神様がサンノゼに来る。一緒に話を聞きに行かないか」 友人でファイナンシャル・アドバイザーのジーンからの誘いに、私は最初あまり気が進まなかった。昨年二月、考え抜いた挙げ句にすべての保有株式を売却して以来、私は個人的な株式投資をストップした。世界経済の将来に自信が持てるようになったときに株式投資を再開すると、ジーンには伝えた。それから早、一年が経過しようとしている。ジーンは言う。「昨年二月の株式売却判断は正しかったと思う。厳しい時期を我々はうまく切り抜けた。でも理想を言えば、テロ直後の株価暴落時点で投資を再開すべきだった。株価が回復基調に向かうときには、立ち上がりの一カ月か二カ月でぐんと上昇する。その時期を見極めることは誰にもできないんだ。だからそろそろ底を打ったかなと思ったら、リスクを取ってでも投資を再開して、その立ち上がりのポイントを捕まえなきゃいけない」 ストップしたままになっている私の株式投資を再開させようと、ジーンは神様の話を私に聞かせようとしているわけだ。ただアメリカにおいて、いかなる分野であれ神様とまで言われる人のカリスマ性はとてつもないものである場合が多い。それを体感するだけでも面白いかなと、私はジーンの誘いに乗ることにし、サンノゼ・フェアモントホテルへと車を走らせた。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
梅田望夫 1960年東京都生れ。94年渡米、97年コンサルティング会社ミューズ・アソシエイツを起業。著書に『ウェブ進化論』(ちくま新書)、『ウェブ時代をゆく』(同)、『ウェブ時代 5つの定理』(文藝春秋)、『ウェブ人間論』(共著、新潮新書)など。メジャーリーグの野球、そして将棋の熱烈なファン。
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
価値あるバックナンバー
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順