CIAの投資会社がにわかに注目を浴びる理由

2002年4月号
エリア: 北米

 同時多発テロの余波で、意外なベンチャーキャピタルに注目が集まっている。利益は目的としないNPOで、その名はインQテル(In-Q-Tel)。実はCIA傘下の組織である。 創立は一九九九年で、設立の目的は、情報収集に役立つIT(情報技術)の開発促進。諜報担当機関などからどのような技術を必要としているかリクエストを募り、対応する技術を所有しているか開発中の民間ベンチャー企業に出資する。投資の規模は、年三千万ドルというペース。 CIA直系とはいえ地下組織などではない。自身のウェブサイトでは投資先企業や幹部メンバーなどの顔ぶれを公開するなど、一般のベンチャーキャピタルとさして変わらないようにも見える。 だが、昨年九月のテロ事件で事情が変わった。ギルマン・ルイCEO(最高経営責任者)によれば、「われわれのITの欠陥が明らかになった」からだ。「ベストと考えて組み上げてきたシステムが役に立たず、持っている情報を結びつけることができなかった」。 実際、テロ事件の捜査において、多くの情報機関のコンピューターシステムでは情報の検索や比較・検討が早急かつ充分に行なえず、問題となった。曖昧なキイワードによる検索に弱いことが最大の欠点で、結局、CIAの分析官たちは大量の情報をいちいちプリントアウトし、紙の山の中で格闘を続けることを余儀なくされている。

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