ナスダック・ジャパンに近づく野村證券の影

2002年4月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

「事実無根だ。統合など絶対にありえない」――。一部で「店頭(ジャスダック)市場と大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場が二〇〇三年三月末に統合を目指し、協議に入った」と報道された二月二十七日、ソフトバンク首脳は怒りをあらわにしてみせた。 ソフトバンクはナスダック・ジャパン市場の企画・運営会社であるナスダック・ジャパン(以下、NJ)の筆頭株主だ。「聞いてもいない話を協議できるわけがない」(同ソフトバンク首脳)と否定するのも一応は筋が立つ。ただし企画・運営会社であるNJの経営不振は、市場関係者なら誰もが知るところ。はたしてナスダック・ジャパン市場の行く末はソフトバンクの思い通りになるものか。 そもそも「ナスダック・ジャスダック統合構想」の根底には、新興企業向け株式市場が東京証券取引所マザーズも含め、三つも必要なのかという問題がある。ITバブルの絶頂期であれば、「三市場が競争し合って優れた成長企業を育成する」という当初の目的の達成は見込めよう。しかしバブルは弾け、IT系ベンチャーは死屍累々のありさまだ。資金調達への近道とばかり上場を焦った企業には、上場企業としての体をなさないところも少なくない。市場を利用する投資家・企業の立場から見ても、市場の数が増えるほど一つの市場に流れ込むリスクマネーは減ってしまうことになる。

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