金融庁が演出した「官製相場」の舞台裏

2002年4月号
エリア: 日本

 昨年五月以来の低迷に歯止めがかからなかった平均株価が、二月末から突如上昇に転じた。二月六日の終値九四二〇円八五銭を底値に日経平均は一カ月で二〇〇〇円以上も上昇、当局が三月末の目標にしているといわれる一万二〇〇〇円の確保も可能な状況になってきた。「二月二十七日に発表したデフレ対策が効を奏した」と当局は自画自賛するが、金融機関への公的資金再注入の具体論に踏み込めなかったデフレ対策に、市場は見向きもしていない。市場が気にしたのは、二月八日、二十六日の二回に分けて発表された空売り規制強化の方だった。空売りは、機関投資家間で株券を借りて売る「空売り」と、証券金融会社経由で株券を借りて市場で売る「信用売り」の二つに分かれるが、今回の規制強化は、この二つをともに大きく制約する内容となっている。 規制強化の結果、株式市場では売りがばったり止まった。低迷続く市場では、機関投資家も個人投資家も売りから入って、下がったところで買い戻して稼いできた。この手法が使えなくなった影響は大きい。売りが細ったところに、当局が公的年金資金を使って、現物、先物を問わず大口の買い物をぶつけ、相場を煽る。ショートポジション(売り持ち)の投資家はあわてて買い戻し、さらに株価は上昇。「相場の動きを公的資金が決める」(準大手証券)まさに官製相場が出現した。

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