米国企業の女性幹部に求められる「女らしさ」

執筆者:ルイーズ・ブランソン 2002年5月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 北米

アメリカのフェミニズムに“第三の波”ともいうべき新たな潮流が起きつつある。「ガラスの天井」を突き破るため、ビジネスウーマンは意外な道を進もうとしている。[ワシントン発]「ハロー、私、グレタ・ヴァン・サステランです。あれからまた手術を受けたの」――アカデミー賞授賞式で、俳優ネイサン・レインがとばした“旬のジョーク”のネタは、先頃、CNNからライバル局のフォックス・ニュースへと引き抜かれた、キャスターで弁護士でもあるヴァン・サステランだった。移籍に当たって彼女が美容整形を受け、別人のごとく生まれ変わったことが物議をかもしているのだ。四十七歳の彼女が、今さらなぜ美容整形を必要としたのか。男性キャスターは中高年にさしかかっても、誰も容姿など問題にしないではないか、と。ヴァン・サステラン自身は、「ちょっとした思いつきで、特別な意味はない」と、虚しい反論をくり返すばかり。 ウーマンリブの教祖グロリア・スタイネムがフェミニズムのバイブルとも言うべき『ミズ』を創刊してちょうど三十年、フェミニストたちは今回の議論をきっかけに一九七〇年代を振り返る。激しい闘争に明け暮れたあの頃から現在まで、果たして自分たちは何を勝ち得たのか、と。ヴァン・サステランの騒動は、図らずも、彼女たちが描いた理想がまだ一〇〇%実現されてはいないことを世に知らしめる結果となった。とりわけビジネス界においては、その感が強い。企業の頂点に君臨する女性は、全体のわずか一二・五%足らず(議員の女性比率も似たようなものだ)。女性の進出を阻む障害には、唖然とするようなものも少なくない。

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執筆者プロフィール
ルイーズ・ブランソン イギリス出身。英『サンデー・タイムズ』紙モスクワ支局長を経てフリーランスに。米『ワシントン・ポスト』紙元モスクワ支局長で夫のダスコ・ドーダー氏との共著に『ミハイル・ゴルバチョフ』『ミロシェビッチ――暴君のポートレイト』がある。
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