ロシアと中国が激変させた世界の「石油力学」

執筆者:小西太 2002年6月号
エリア: ロシア 中国・台湾

サウジのものだった産油国の王位に、簒奪者が名乗りをあげた。視野にあるのは台頭する巨大消費国。もはや「OPECと米欧」という構図では語れない石油市場に、虚々実々の駆け引きが繰り広げられる。[ロンドン発]国際石油・天然ガス市場で新たな主役が存在感を増している。OPEC(石油輸出国機構)非加盟国中で最大の産油国、ロシアだ。OPECの相対的地位低下は、国際政治にも大きな影響を与える。石油を巡る国際力学は「OPEC対米欧消費国」という単純な構図から、ロシア、中国を含む複雑な連立方程式に変質するのは間違いない。 四月下旬、パリ市内のホテルで開かれたオイル・サミットにはOPEC加盟国の閣僚、メジャー(国際石油資本)の首脳、国際エネルギー機関(IEA)幹部など錚々たる顔ぶれが集まった。しかし会議の主役はOPECでもメジャーでもなく、OPECに挑戦状をたたきつけたロシアだった。「OPECによる石油市場支配は市場原理をゆがめ、非効率的だ。考え直す時期に来ている」。OPEC攻撃の口火を切ったのは、欧米メディアの前にめったに姿を現さないロシア経済の黒衣、アンドレイ・イラリオノフ氏。プーチン大統領の経済顧問を務める、ロシアきっての若手エコノミストだ。

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