インテリジェンス・ナウ
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火を噴いた「台湾ゲート」日本に絡む最大の疑問

春名幹男
執筆者:春名幹男 2002年6月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中国・台湾 日本

 一九九六年春、台湾海峡は危機感に包まれた。中国軍は台湾に向けてミサイル発射演習や陸海空合同軍事演習を繰り返し、台湾の近海に中距離地対地ミサイルM9が撃ち込まれた。台湾では海外への資金流出や株価の下落、食糧の買いだめ騒ぎまで起きた。 これに対して、クリントン米政権は空母インディペンデンスとニミッツを中心とする二機動艦隊の十六隻を急派。アメリカの力の誇示で事態はようやく沈静化した。 それから六年後の今年春、台湾機密資金疑惑が暴露され、台湾海峡危機の裏で、台湾情報機関「国家安全局」による秘密工作が展開されていた――と報道された。 当時の李登輝総統側近からの働きかけで、橋本龍太郎首相が動き、クリントン政権を説得、空母機動部隊を派遣させた、というのだ。「橋本さんは、ホワイトハウスに二つのことを警告したといわれます。つまり、アメリカが台湾海峡に空母を出動させなければ、第一に台湾は中国の軍門に降り、第二に日本は核武装を余儀なくされる、と直言したそうです」と在京国際情報筋は言う。今のところ橋本氏らは台湾報道を黙殺しており、真偽は不明。なぜ橋本氏は舞台裏でそんな行動に出たのかも分からない。 同筋によると、台湾国家安全局で日本とアメリカに対する工作を担当したのは「明徳小組」と呼ばれるグループ。明徳小組は最も重要なグループで、国家安全局にはこうした小組が全部で七つある。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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