新生銀行に株式公開を急がせる「ウマい話」の期限切れ

2002年6月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

 旧長銀(日本長期信用銀行)である新生銀行が今年秋までに、株式を公開する準備を進めている。関係者によれば、すでに複数の大手証券会社との間で公開のアドバイザー契約を結んでおり、「公開すれば、株主であるリップルウッド側には数千億円の利益が転がり込む」(金融筋)計算だ。 同行が株式公開を急ぐのには理由がある。経営破綻した長銀をリップルウッドが買収した際、政府との間で結んだ瑕疵担保特約の期限が来年三月に迫っているのだ。この特約は、旧長銀から引き継いだ債権が二割以上減価した場合、国がそれを買い取るというもの。つまり、来年三月以降は国に債権を買い取る義務はなくなり、新生銀行にとって厳しい経営環境が待ち受けているのである。 もっとも、瑕疵担保特約の恩恵を受けて新生銀行はいまや、資産内容では不良債権問題に悩む他の大手銀行をしのぐ“優等生”だ。こうした状況下で同行が描くのは、早急に株式を公開し、その後に身売りをするというシナリオ。事実上の経営トップであるクリス・フラワーズ氏(米ゴールドマン・サックス証券出身)が、水面下で複数の金融機関を相手に身売り交渉を進めているという。

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