フィオリーナとブルース

執筆者:梅田望夫 2002年6月号
タグ: アメリカ 日本

 昨年九月三日の発表から約八カ月、ヒューレット・パッカード(HP)とコンパック・コンピューターがようやく合併した。 HPの発行済み株式の約一七%を保有する共同創業者一族(ヒューレット家とパッカード家)が十一月上旬に合併反対を表明してからの半年は、取締役会、株主総会、裁判所と舞台を移しながら、美貌のカーリー・フィオリーナHP会長兼CEO(最高経営責任者)と創業家との熾烈な戦いが延々と続いた。そして結局は、勝つことに惜しみなく全力を尽くしたフィオリーナの勝利に終わり、共同創業者一族の代表ウォルター・ヒューレット取締役は「私が知っているHPではなくなってしまう」という裁判所での言葉を最後に、取締役会から叩き出された。

カテゴリ: IT・メディア
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
梅田望夫(うめだもちお) 1960年東京都生れ。94年渡米、97年コンサルティング会社ミューズ・アソシエイツを起業。著書に『ウェブ進化論』(ちくま新書)、『ウェブ時代をゆく』(同)、『ウェブ時代 5つの定理』(文藝春秋)、『ウェブ人間論』(共著、新潮新書)など。メジャーリーグの野球、そして将棋の熱烈なファン。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top