「瀋陽総領事館事件」の真実

執筆者:伊藤正 2002年7月号
エリア: アジア

ビデオの映像は、たしかに衝撃的だった。だが、駆け込み事件に対する日本での捉え方は、あまりに表面ばかりを見過ぎている。外交上・条約上の正しい理解と、“脱北者”たちの置かれた状況を踏まえ、問題の根源を論議すべきではないか。[北京発]北京の外国公館街は今、戒厳状態さながらだ。ほぼすべての公館が有刺鉄線に囲まれ、正門前に防護柵をめぐらしている所も少なくない。中国武装警察が二、三十メートルおきに立ち、通行人に鋭い視線を向ける。大使館沿いを歩くと、反対側へ行けと指図され、しばしば身分証明書の提示を求められる。

カテゴリ: 軍事・防衛
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