「万一の場合」を口にしたカストロの弱気

2002年7月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中南米

 先のカーター元米大統領のキューバ訪問では、七十五歳のカストロ国家評議会議長が自ら空港まで出迎えるなど異例の歓迎ぶりが報じられたが、会談で同議長がこれまでにないほど弱気な発言をしたことは知られていない。 会談は「友好的な雰囲気の中で率直に意見を表明し合う場」(キューバ政府筋)となったが、同行したロザリン・カーター夫人が一部マスコミに漏らしたところによると、カストロ議長は相変わらず社会主義体制の維持を声高に主張する一方、共産党幹部がどんどん若返り、考え方も新しくなっている点を挙げ、自分の体力、精神力の衰えを口にした。長時間の演説で大群集をわかせた過去の日々を懐しがっていたという。 さらにカーター氏らを驚かせたのは、同議長が自ら脳内出血に襲われた経験を話し、「万一の事があった場合の準備は出来ている」と自分の死後についても言及したことだという。「ポスト・カストロ」については同国のナンバー2である弟のラウル氏や他の共産党幹部の間でも話し合われているといわれ、以前は完全にタブーとされていた後継体制づくりが徐々に進んでいるようだ。

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