経営なき日本プロ野球界 松井に「行くな」と言う前に

執筆者:篠山正幸 2002年8月号
エリア: 日本

レベルが高く、観客も多いところでプレーしたいのはアスリートの本能。選手の流出を防ぎたいなら、何をすべきなのか。三つの問題を指摘する。 松井秀喜(巨人)、中村紀洋(大阪近鉄)ら日本に残る最後の大物スターがもし米大リーグ入りしたら、いったいどうなるのか。一九五〇年のセ・パ両リーグ分裂以来、半世紀にわたって「旧体制」を頑迷に維持してきたプロ野球界だが、太平の時代は終わった。 もし市場経済の原理がプロ野球界に徹底されていたらどうだろう。巨人、福岡ダイエーなど数球団をのぞき、多くの球団はとっくに「退場」を宣告されていただろう。特にパ・リーグのほとんどの球団は赤字体質で、親会社におんぶにだっこ。パトロン気分で赤字を大目に見てきた各球団オーナーたちの太っ腹には感謝すべきだろうが、今後も球団がこうした従属的存在でいいはずがない。 問題解決の第一のカギは、利益の公平な分配だ。日本球界の懸案の一つとされてきたことに人気球団の利益の総取りがある。主催試合の放映権は各球団のもので、グッズ売り上げも同様。巨人戦の一試合の放映権料は一億円ともいわれる(巨人が読売グループ内の日本テレビに売る場合は当然これより安いという)。セ・リーグ球団にはこうした巨人戦放映権のうまみがある。対してパ・リーグの放映権は、並みのカードならせいぜい数百万円。放映してもらう、という表現が適切かもしれない。

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