市場の神様の「根拠なき熱狂」

名越健郎
執筆者:名越健郎 2002年8月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 北米

「市場の神様」「金利の魔術師」などと称賛されたアラン・グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の神通力が衰えてきた。 昨年9月の米同時多発テロの影響があるとはいえ、エンロンやワールドコムなど米企業の会計不祥事が米国発の世界同時株安とドル全面安を招いた。FRBは昨年、11回連続で金利を引き下げたものの、株価は乱高下を続け、景気回復に大きな効果は出ていない。 グリーンスパン議長も最近は、「(FRBの)景気認識と市場の期待にずれがあった」と漏らすなど、その神話に陰りがみられる。グリーンスパン・ジョークが出始めたことも、同議長の凋落ぶりを示していよう。問「グリーンスパン議長が最近愛用しているゲーム・ソフトは何か」答「ジェットコースター・ライドだ」問「グリーンスパン議長は今年の夏休みをどう過ごすのか」答「オサマ・ビン・ラディンを消すため、アフガンの奥地へ行くだろう」 株式市場で大損した米国の投資家がグリーンスパン議長を批判した。「株式投資は赤信号だ。彼はレッドスパンと改名すべきだ」 ニューヨーク株価の混迷で、気象予報士がグリーンスパン議長に感謝した。「これでわれわれは、エコノミストより正確と評価されます」

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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