朝・毎・読・NHKがある限り……

執筆者:東山礼 2002年8月号
エリア: 日本

 サッカーのワールドカップ(W杯)の期間中、日本中がお祭り騒ぎだった。国内でこれほどスポーツに注目が集まったことは珍しいだろう。しかし、サッカーを除けば、日本のスポーツの前途は暗い。国民の娯楽ナンバーワンの地位が揺らいでいるプロ野球は、スター選手の海外流出におびえ、企業のスポーツからの相次ぐ撤退で、五輪を目指す若者たちの多くは青息吐息だ。 最近の全国紙では、スポーツ界の「構造改革」を訴える記事が目立つ。スポーツに取り組む場所が学校と企業にしかない現状を脱し、ヨーロッパのように地域に根差したスポーツクラブを整備。その中でプロチームを運営し、世界レベルのアスリートも育成しよう、という論調だ。「ゆりかごから墓場まで」スポーツに親しめる新しいスポーツ社会を作ろうというわけで、まったくの正論である。しかし、自分たちこそがそうした理想の実現の邪魔をしている「守旧派勢力」の一員であることに、メディアは気づいているのだろうか。 毎年春と夏、高校野球の甲子園大会が開催される。春の選抜は毎日新聞が、夏の選手権は朝日新聞が、日本高校野球連盟(高野連)と主催。すべての試合をNHKが全国放送する。実は、この国のスポーツの基盤を、学校、企業から地域に移そうとする時、最も大きな障害となるのが、この学校体育の頂点ともいえる高校野球の存在である。

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