国内産業が国際競争の波に晒されるWTO加盟の影響は、早くもはっきりと見え始めている。対中進出でしのぎを削る日本企業など“外資”にとっては、「勝ち組」をパートナーに選べるかが将来を左右することに――。[北京発]中国が世界貿易機関(WTO)に加盟してから八カ月。国内産業を保護する防波堤だった関税が下がり、国有企業の淘汰が始まった。計画経済の残滓を一掃した後に、国際的な競争に勝ち残れる中国企業は登場するのか。 日産自動車のカルロス・ゴーン社長が基調講演のゲストスピーカーとして招かれた六月の北京国際自動車ショー。トヨタ自動車は中国事業の責任者である白水宏典副社長や豊田章男常務らが特設ブースの雛壇に登り、今秋から天津汽車夏利(天津市)と合弁生産する初のトヨタブランド車「T1」(仮称)をお披露目した。二年に一度の祭典は大いに盛り上がり、八日間の会期中に四十万人の入場者が訪れた。今、中国沿海地域の都市部はマイカーブームで沸き立っている。
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