米「対イラク核攻撃」日本政府の懸念は杞憂か

2002年9月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中東 北米 日本

 米国がイラクを攻撃する可能性が高まる中、日本政府内では、米国が戦術核兵器を使用するのではとの懸念の声が出始めている。 ある外務省幹部はその理由として、(1)湾岸諸国の軍事協力が、湾岸戦争当時ほどには期待できない、(2)そうした中で地上戦に突入すれば、米兵の消耗が甚大となり、国内世論の反発を招く、(3)他国の支持が得られなくてもフセイン政権の転覆が国益にかなうと米政権が決意した――ことを挙げる。「核使用により短期間で正確にフセイン居住地を破壊し、米軍の消耗を最小限に抑えることが可能」(防衛庁筋)という見方もある。 唯一の被爆国として、日本は決して核使用を支持できない上、テロ対策特別措置法により軍事的協力には限界がある。このため、米国は、英、ヨルダン、クウェート、トルコの四カ国の支援だけで作戦を遂行する可能性も出てきた。 米国はさきに核の先制使用も排除しない新たな国防戦略をまとめている。もちろん、攻撃開始前にイラクを威嚇し、攪乱する意図のもと、米側が日本を通じて情報戦を仕掛けている面も否めないものの、いまや、米国が核兵器を使うのか否かは大きな焦点となっている。

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