サッカー選手の移籍金相場に異変アリ

執筆者: 2002年9月号

 サッカー・ビジネスに異変が起きている。ワールドカップ(W杯)直後にもかかわらず、今年の移籍市場は何かおかしい。イングランド代表のリオ・ファーディナンドが五十七億円という移籍金で、英マンチェスター・ユナイテッド(マンU)に移るビッグニュースはあったが、それ以外に高額のマネーが飛び交うトレードがない。 契約期間中にもかかわらず移籍金ゼロ――。W杯で優勝したブラジル代表のリバウドは七月末、フリーエージェント(自由契約)という形で、スペインのバルセロナからイタリアのACミランに移った。年齢は三十歳、今が選手としてピークにあるとはいえ、知名度、実力から考えれば、過去のベスト10に入る移籍金が動いてもおかしくない。それなのにバルセロナは二〇〇三年まで残っていた契約を破棄し、自由契約にした。契約期間を残してリバウドを移籍させ、移籍金を手にするこれまでのやり方を選ばなかった。

カテゴリ: スポーツ
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