カーテンコールのあと

執筆者:名越健郎 2002年9月号
エリア: アジア

 すべての権力は腐敗する。世界的な人権活動家でノーベル平和賞受賞者、民主化のために死線を何度もさまよった筋金入りの政治家、金大中韓国大統領の次男と三男が、汚職で相次いで逮捕、起訴された事件は、韓国の特殊な政治土壌を改めて想起させた。 来年2月で退陣する大統領は、地方選での野党の躍進や経済問題に加え、息子の事件も重なって、ますますレームダックの様相を強めている。 金大中大統領が就任時に生命保険に加入しようと思い、生命保険会社に電話した。保険料は5年後に跳ね上がる仕組みになっていた。「なぜ5年後から保険料が10倍になるのか」

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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