十月十二日深夜、インドネシア・バリ島で発生した爆弾テロ事件には、三つの際立った特徴がある。そして、そのいずれもが、テロ組織「ジェマー・イスラミア(イスラム共同体、以下JI)」による極めて組織的な犯行の可能性が高いことを示している。 第一に、高性能の大型爆発物を使用していること。死者約二百人、重軽傷者約三百人の大惨事を引き起こすほどの高性能爆発物を使用できるグループは限られている。JIは高性能武器の調達や運用に精通している数少ないテロ集団であり、二〇〇〇年にはスラウェシ島付近で大量の米国製M16自動小銃を隠し持っていることが発覚、工作員が逮捕されたこともある。
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