防衛庁が嘆く「有事法制」の大風呂敷

2002年11月号
カテゴリ: 外交・安全保障 政治
エリア: 日本

 先の通常国会で継続審議となり、十月の臨時国会では再提出見送りと目されていた有事法制関連三法案が一転、審議入りすることになった。 修正法案では、「わかりにくい」と不評だった武力攻撃事態の定義を三段階から二段階に見直し。工作船・テロ対処についても新法案に盛り込み、野党が求めた国民保護の項目を追加する。 だが、もともと昭和五十二年に始まった有事法制研究は、防衛出動が発令された場合の自衛隊の行動の円滑化が目的の簡素なもの。現在の有事法案は「武力攻撃事態対処法」という大風呂敷を広げたため、議論は自衛隊の行動から他省庁との連携や国民保護法制にまで広がった。 防衛庁幹部は語る。「自衛隊法には、自衛隊はわが国を防衛するため必要な武力行使ができると書いてある。必要なら違法な行動もやむを得ないという意味です。ところが、今回の法案では『してよいこと』『しなければならないこと』を全部文章にしようとしている。これでは自衛隊の手足を縛るようなもの」。 法律の制約がない現状の方が「まだマシ」だという。

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