核物質ショッピングにうってつけの国

執筆者: 2002年11月号
エリア: ヨーロッパ

 英紙『サンデー・タイムズ』の調査班が、放射性物質の不正入手ルートをチェコで見つけた。 調査班は、架空の英国企業の名で、チェコの放射線治療用機械メーカーに「アフリカ援助のため、放射線治療用機械がほしい」と持ちかけ、放射性物質コバルト60を七十グラム含む機械の購入契約を結んだ。さらにチェコ政府の原子力安全委員会、輸出先に想定したナイジェリア政府当局からも、放射性物質の輸出入に協力するとの約束を取り付けた。 コバルト60は、放射性物質を撒き散らす「汚い爆弾」への転用が可能な危険な物質。にもかかわらず、交渉は電話とファックスだけで済み、でたらめな所在地を記入したのに、ニセ会社であることは気づかれなかったという。

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