インテリジェンス・ナウ
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ペンタゴンにつくられた秘密の情報分析チーム

春名幹男
執筆者:春名幹男 2002年12月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 十月二十四日の米国防総省記者会見。真っ先に手を挙げた記者が、その日のニューヨーク・タイムズ紙の特ダネ記事についてラムズフェルド国防長官に質問した。昨年九月十一日の米中枢同時多発テロ後、ペンタゴンの中に秘密の情報分析チームが設置されていたことが分かった、というスクープだ。「一体、このチームは何をしているのか。なぜつくられたのか。話してくれますか」と聞かれて、ラムズフェルド国防長官は「小さいグループ。最初は二人でスタートしたと思う。たぶん今は四人くらいいる。山のような情報を詳細に調べているが、自ら情報収集活動はしていない」と答えた。 次いで「あなたはアル・カエダとイラクの関係に関する(CIAの)情報に不満と伝えられるが」と質問されると、いつもの強引な調子で「なぜ私が不満を持つんだ。(CIAの情報は)ベストの評価だということだ」と反問した。 明らかに、ラムズフェルド長官率いる国防総省は中央情報局(CIA)からもたらされる情報分析に不満だから、自ら国防総省内に情報分析部門をつくったのだ。しかし、長官はしつこい質問に対してお得意の回りくどい言い回しを続けた。周到に、記者団が仕掛けたわなを避けながら、自分のペースでしか話をしないのである。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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