経済で政権テコ入れを図る「辛勝」ブッシュの戦略

2002年12月号
エリア: 北米

共和党の歴史的勝利も、よくよく見れば極めて危ういもの。騙されてはいけない、有権者の本当の関心はイラクではなく経済なのだ。中間選挙の開票中にピットSEC委員長のクビを切ったブッシュ大統領は、次にどんな手を繰り出してくるのか。[ワシントン発]十一月五日午後九時。二〇〇二年中間選挙当日の夜、米メディアは開票速報の途中で重大ニュースを報じた。米証券取引委員会(SEC)のピット委員長がブッシュ大統領に辞任を申し入れ、了承されたというのだ。 ピット委員長は就任前に大手監査法人の弁護士を務めており、もともと「監査法人・大企業に甘い」といった批判を受けていたが、企業改革法(サーベンス・オクスレー法)で設置が決まった監査法人の監視機関である「上場企業会計監督委員会(PCAOB)」の委員長選びを強引に進めたことで批判の声が高まり、議会を中心に辞任要求が広がっていた。辞任自体は半ば必然だったとはいえ、全米の主要州で投票が終わったが選挙結果は判明していない時間に巧妙に仕組まれたリークには別の意味があった。情報の出所はまず間違いなくホワイトハウス。ピット委員長の辞任は、ブッシュ政権が「ポスト中間選挙」に向け舵を切ったことの象徴的な演出だったのだ。

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