ロシアがいまさら「四島」に入れあげる理由

2003年1月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: ロシア 日本

 一月九日からの小泉純一郎首相の訪露を前に、ロシアが北方領土問題で厳しい姿勢を取り始めた。 ロシア太平洋軍は二〇〇三年夏実施する大型演習で、国後、択捉両島が「仮想敵国」に占領された想定で上陸演習を実施する。プーチン大統領も出席した安全保障会議で決まったもので、「仮想敵国」には日本が含まれている。 また、ロシア政府は帝政時代に辺境の防衛にあたったコサックの子孫八十四家族を国後島と歯舞諸島の水晶島に入植させることを決定。ほかに北方四島への住宅建設推進など、投資拡大の意向も表明している。 大統領に近いセレズニョフ下院議長は十二月初めに来日し、領土問題抜きの平和条約締結という領土棚上げ論を強調。ポスト鈴木宗男の日露首脳会談にロシアが強硬姿勢で臨むことを示唆した。 とはいえ、人口減が進み、重要性も低下した四島問題への取り組みには、日本牽制の政治的意図が強い。「将来、日本に高く売りつけるため、四島の値をつりあげるバザール商法」(日露関係筋)との見方もあり、二〇〇四年のプーチン再選後の本格交渉で、譲歩に転じる可能性が囁かれてもいる。

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