“奇策”に出た銀行に忍び寄る「国有化」の足音

2003年1月号
エリア: 日本

 大手銀行が「国有化」逃れのために、相次いで“奇策”を打ち出した。みずほフィナンシャルグループのグループ再編、UFJグループの不良債権分離会社の設立、三井住友銀行のあおぞら銀行買収への名乗り……。いずれも経営理念の見えぬ苦し紛れの一手であり、逆に窮状を露呈したようにみえる。ひたひたと近づく「国有化」の足音が聞こえるようだ。 みずほが発表したグループ再編の柱は三つある。新たな金融持ち株会社「みずほフィナンシャルグループ」の設立、みずほ信託銀行とみずほアセット信託銀行の合併、不良債権の分離である。公式には複雑だったグループ内組織を簡素化して経営効率を引き上げるためとされるが、二〇〇〇年九月に持ち株会社を立ち上げ、二〇〇二年四月にみずほ、みずほコーポレートの二銀行に再編したばかりだ。「グループ内の会社をこねくり回しただけで、新たな収益源は何もない」(外資系アナリスト)という手厳しい意見もある。 実は、みずほをいま最も悩ませているのが、国が保有する優先株への配当原資である。傘下のみずほ銀行、みずほコーポレート銀行は、赤字決算が続く見込みで配当原資を稼ぐ力はない。そのため、新たな持ち株会社を作り、傘下に配当原資を稼げる企業群を組み入れたという見方もできる。実際、新持ち株会社の下には、ユーシーカードなど一つ一つは小粒ながら収益が期待できる会社が数多い。

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