パキスタンの「タリバン化」が始まっているのか

 さる十一月末、モスクワを訪問したブッシュ米大統領に対して、プーチン・ロシア大統領は「オサマ・ビン・ラディンはアフガニスタンとパキスタンの間のどこかにいると聞いているが」と問いかけたと伝えられる。 アフガニスタンとパキスタンの間には国境線というよりも、あいまいな土地の広がりが存在するにすぎぬ現実を、示唆的に表現している。パキスタンをめぐる国境問題といえば、インドとの間のカシミール紛争がすぐ想起されるが、それ以外の国境情勢もきわめて微妙である。 パキスタンの全国行政機構図は、パンジャブ州、シンド州、北西辺境州、バルチスタン州の四州とイスラマバード首都圏が主体であり、他に中央直轄の部族地区と帰属未定のカシミールがある。四州の主要民族はパンジャビ、シンディ、パシュトゥン、バルーチである。

カテゴリ: カルチャー
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top