パキスタンの「タリバン化」が始まっているのか

執筆者:浅井信雄 2003年1月号
カテゴリ: 国際 文化・歴史

 さる十一月末、モスクワを訪問したブッシュ米大統領に対して、プーチン・ロシア大統領は「オサマ・ビン・ラディンはアフガニスタンとパキスタンの間のどこかにいると聞いているが」と問いかけたと伝えられる。 アフガニスタンとパキスタンの間には国境線というよりも、あいまいな土地の広がりが存在するにすぎぬ現実を、示唆的に表現している。パキスタンをめぐる国境問題といえば、インドとの間のカシミール紛争がすぐ想起されるが、それ以外の国境情勢もきわめて微妙である。 パキスタンの全国行政機構図は、パンジャブ州、シンド州、北西辺境州、バルチスタン州の四州とイスラマバード首都圏が主体であり、他に中央直轄の部族地区と帰属未定のカシミールがある。四州の主要民族はパンジャビ、シンディ、パシュトゥン、バルーチである。 二〇〇二年七月現在の米国CIA(中央情報局)推定では、パキスタンの総人口は一億四七六六万三四二九人、民族別人口は使用言語からの推定で、パンジャビ語とその変形語シライキ語の合計人口が五八%で最大、次いでシンディ語一二%、パシュトゥ語八%、バルーチ語三%などである。公用語はムガル王朝語とされるウルドゥ語だが、それを母語とする者は八%にすぎず、エリート層は英語を話すなど、全国的には二十種類以上の言語が使用されている。人口の九七%はスンニー派イスラム教徒である。

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