盧武鉉政権の対応を息を潜めて待つ鄭6兄弟

執筆者:上川亮輔 2003年2月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 朝鮮半島

[ソウル発]「あの兄弟は一体どうなるのだろう」。盧武鉉政権の誕生を前に韓国の経済界では、こんな声をよく聞く。「あの兄弟」とは、かつての韓国最大の財閥・現代グループ創業者である故鄭周永氏の六人の子供たちのことだ。 六兄弟は、鄭周永氏の死去後、現代グループを分割継承した。このうち、長男格(長男と四男は故人)で現代自動車会長になった次男・鄭夢九氏と、五男で北朝鮮事業などを継承した鄭夢憲現代峨山会長、六男で世界最大の造船メーカー、現代重工業を継承した鄭夢準氏の三兄弟の今後は、盧武鉉政権の政策次第で大きく左右されることが確実だ。 自業自得とはいえ、三人のうち最も辛いのが鄭夢準氏だ。韓国サッカー協会会長で国会議員でもある同氏は、大統領選に出馬し、昨年十一月末には盧武鉉氏との「候補一本化」に応じた。これを機に盧武鉉氏の支持率が李会昌候補を逆転。そのまま盧武鉉氏が当選した場合、鄭夢準氏は首相か外相に就任し、次の大統領に向けて足場を固める可能性が高かった。 しかし、投票日前日の夜中に、突然、「盧武鉉氏支持撤回」を発表した。最後の共同遊説で、盧武鉉氏が一緒にいた新千年民主党の若手議員と鄭夢準氏を「次の候補はたくさんいる」と紹介したことに、「次は自分という約束のはずだ」と鄭夢準氏が激怒したためとされる。盧武鉉氏は未明に鄭夢準氏の自宅を訪問したが、鄭夢準氏は「酒を飲んで寝てしまった」と門前払い。困惑した盧武鉉氏の姿がテレビで繰り返し放映されたが、これで「鄭夢準はわがまま」というイメージができあがってしまった。

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