マイナス情報の開示がウマすぎる味の素

2003年2月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 総合食品大手、味の素の広報・宣伝の“巧妙さ”が同業者や広告関係者の間で話題になっている。 昨年末、味の素は歳暮向けセット商品中の「五目おこわ」(レトルト)からバチルス菌が発見されたとして回収を発表した。この菌には毒性はなく、風味を落とす可能性がある程度とされるが、問題は発表のタイミング。おこわを製造した別会社で検査が行なわれたのは十二月十七日だったが、味の素が回収を発表したのは二十九日の日曜日。テレビや新聞、雑誌が正月休みシフトに入った時期だ。 実例はほかにもある。昨年四―七月に実施した工場跡地などの地質検査で土壌から高濃度の水銀(国の基準の最大百二十六倍)が検出されたが、結果の発表は約二カ月後の九月十七日。小泉首相が北朝鮮を訪問した日であり、マスコミの扱いはやはり小さかった。 味の素側は「検査結果の公表までには追試や監督官庁との折衝などで時間がかかる。発表の時期は意図的なものではない」というが、大量の広告出稿を背景にした同社のメディア対策には以前から“定評”がある。「最近はうまいというより、あざとい」(広告代理店関係者)という評も出てきた。

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