“トヨタ銀行”が示唆する自動車産業の激変期

2003年2月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

 トヨタ自動車が経営不安の募るUFJ銀行を傘下に収めるかは二〇〇三年初めの日本経済の焦点のひとつだが、関係者からはトヨタによるUFJの実質買収の可能性を指摘する声が確実に増えている。日本経団連会長を務める奥田碩トヨタ会長はUFJ買収の言質を今のところ一切与えていない。だが、トヨタ社内では将来のUFJへの出向者選定も含め動きがある模様だ。昨年末、トヨタは経営再建中の総合商社トーメンを傘下に収める方針を決めたが、これもトーメンのメインバンクであるUFJ救済の一環ととらえれば、トヨタの金融進出の戦略はきわめて明確になりつつある。 では、自動車販売台数で世界第三位に躍進し、株式時価総額ではゼネラル・モーターズ(GM)の四倍以上という世界最強の自動車メーカー、トヨタが金融業への展開を図る狙いは一体何なのか。 直接的には自動車ローン、中古車売買での決済業務、レンタカー事業をからめたクレジットカードなど自動車関連事業での活用がある。自動車ローンは担保確保が確実で、しかも高マージンを得られるため世界の自動車メーカーがそれぞれ自前の金融会社で手がけている。GMにはGMアクセプタンス・コープ(GMAC)という金融子会社があり、自動車ローンから出発して今や不動産関連投資などにも手を広げている。トヨタとしてはGMACのトヨタ版“TMAC”を持ち、金融収益を拡大したい考えがあるのは間違いない。

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