クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?
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金正日の「核」を防ぐには

徳岡孝夫
執筆者:徳岡孝夫 2003年2月号
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

 国際原子力機関(IAEA)の査察官二人は追い出され、ウィーンに戻った。北朝鮮は核開発を公然と再開した。 少なくとも三基の原子炉がある寧辺では、核燃料棒二千本を炉の再稼動に備えて搬入した。使用済み核燃料棒の再処理――プルトニウム抽出も始めたらしい。次は当然、ついに核兵器(起爆装置を含む)を持ったぞという「保有」宣言と、それを「使用」するぞという脅迫である。そういう手続きを経ず、いきなり使うかもしれない。「保有」宣言の瞬間に、日本は何らかの行動に出なければ国が危い。世の中で最も危険なのは、失う物を何も持たない人または国だからである。北朝鮮は貨物に隠してイエメンにスカッド・ミサイルを売った。日本の暴力団と携帯電話で連絡しながら、覚醒剤を持ち込もうとした。もはや国家としての体面もへったくれもない。あるのは自分勝手な論理だけ。 ワシントン発の外電を見ると、米政府筋の中には現在の北朝鮮を、ストリップのダンサーに譬える人がいるという。働く者の楽園も主体思想も、みな脱ぎ捨てた。民は飢え、国を棄てている。ミサイルと覚醒剤しか売る物がない。おっぱいもヘソも丸出し。辛うじて秘部を覆う黒い布切れの下には核兵器がある。出すぞ出すぞと、片手は布にかかっている。そういう陳腐なストリップショーを誰が見るか、と言ったと書いてある。

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執筆者プロフィール
徳岡孝夫
徳岡孝夫 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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