「パフォーマンス見本市」ダボス会議で日本の迷演

執筆者:楠佳史 2003年3月号
カテゴリ: 経済政策・社会保障
エリア: 日本

「来年は『日本が世界を救う』討論会をやりたいものです」。一月二十五日夜。マイクを握った氏家純一・野村ホールディングス社長が英語で挨拶すると、内外合わせて約二百人の「ジャパン・ディナー」列席者がどっと沸いた。もっとも、大半は苦笑交じりである。 各国の政治指導者、企業トップ、学者らが膝詰めで討論を戦わす世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)。今年も二千人を超す世界の指導層が集まった。 二百七十に及ぶ公式の討論会に始まり、氏家ら日本の経済人が主催したジャパン・ディナーのような朝昼晩の食事会や商談などでも情報が飛び交う。それらが参加者を通じてアレンジされ、世界に発信されるのがダボス会議である。 非公式な場で交わされる本音も重要だが、国際論調の流れを即座に動かすのは、公式討論会である。欧米有力紙が連日、特設面まで設け大きく報道するから、出席者は、英語力は言うに及ばず、足を組んで自信たっぷりに語りかけるなど発言時の態度まで細心の注意をはらう。いわば、有識者のパフォーマンスの見本市であるこの会議では、あらゆる努力をして注目を集めなくては、メッセージをメディアに伝えさせることはできない。 今回、日本きっての国際派を自任する氏家は初めて共同議長の一人を務めた。だが残念ながら二つの致命的ミスを犯した。

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