韓国新政権を左右する「人脈」問題

執筆者:黒田勝弘 2003年3月号
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

発足前から難問を突き付けられてきた盧武鉉・新政権。大統領が頼りにしそうな人々の顔ぶれには、対米、対日関係のエキスパートはあまり見当たらない。それどころか……[ソウル発]韓国の盧武鉉次期大統領は政権の正式スタート(二月二十五日)前から「北朝鮮」という難題を突き付けられ苦労している。しかしソウルの政界では「この苦労は盧氏にとっては幸い」との声が聞かれる。対外経験がほとんどない若手(五十六歳)の土着派政治家である盧氏にとっては、政権発足前にいい勉強だというのだ。またこれまで革新系と見られ、取り巻きの参謀陣や支持勢力に左派・進歩派や急進的ナショナリストが多い盧氏にとっては、政治的な均衡感覚を養うにはいい機会だとの声もある。 年明けの韓国は北朝鮮をめぐって内外二つの難題に直面している。一つは昨年末から北朝鮮の強硬策で国際社会を緊張させている「核問題」であり、もう一つは金大中政権の北朝鮮に対する「秘密送金疑惑」だ。前者は対米外交をはじめ国際協調という「外」にかかわる課題であり、後者は野党陣営をはじめ国内世論の激しい追及をどう処理するかという「内」にかかわる課題だ。 とりあえず盧氏は、核問題では「話し合い解決」を繰り返し、前政権疑惑には「政治的解決」を唱えているが、これは総論的ないし原則論的な物言いにすぎない。具体論はこれからだ。

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執筆者プロフィール
黒田勝弘 産経新聞ソウル駐在客員論説委員。1941年生れ。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長兼論説委員を経て現職。2005年度には日本記者クラブ賞、菊池寛賞を受賞。在韓30年。日本を代表するコリア・ウォッチャーで、韓国マスコミにも登場し意見を述べている。『“日本離れ”できない韓国』(文春新書)、『ソウル発 これが韓国主義』(阪急コミュニケーションズ)など著書多数。
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