米株式市場に投げこまれる「配当課税撤廃」という劇薬

2003年3月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 北米

別名は「チャールズ・シュワブ減税」。「金持ち優遇」批判の他にも、株式・債券需給の構造変化、税の複雑化など、さまざまな副作用が指摘されている。果たしてブッシュ政権の狙い通り、株価下支えの効果を発揮するのかどうか……。[ニューヨーク発]ブッシュ米大統領が年初に打ち出した、株式配当金への課税を撤廃する案が米株式市場に波紋を広げている。最高で税率三〇%を超える配当課税がなくなれば、投資家にとっては実質的な増配となり、確かに株式投資の魅力拡大につながるのは間違いない。 しかし、ブッシュ政権が「株価を一〇%押し上げる効果がある」と市場の起爆剤として期待するこの施策は、いわば劇薬。思わぬ副作用が生じる可能性も小さくない。「企業の利益に課税するのは当然だ。しかし、同じ利益を対象に、株主が(配当という形で)受け取る段階で再び課税するのは不公平だ。投資家の信頼感を高め、配当収入を得ている一千万人近い高齢者のためにも、不公平な配当二重課税をやめるべきだ」。ブッシュ大統領は一月二十八日の一般教書演説の中でも、配当課税撤廃の必要性を強調した。 株式市場も大統領案を歓迎している。配当利回りの高い銘柄や、豊富な手元資金を持つにもかかわらず配当をしてこなかった、シスコシステムズやアップルコンピュータなどのハイテク銘柄への注目が高まった。二重課税の問題がなくなれば、資金が豊富なハイテク企業が、配当による株主への利益還元に動くとの思惑が背景にある。

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