世界が注目するベネズエラ「石油スト」の行方

2003年3月号
エリア: 中南米

[カラカス発]世界第五位の原油輸出を誇ったベネズエラで約二カ月続いたゼネストが、同国の原油生産に依然として暗い影を落としている。二月上旬時点での産油量は政府発表で日量百九十万バレル、反大統領派の調べでは百二十万バレルに止まり、生産能力の三百十万バレルに遠く及ばない。ストは事実上、ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)だけで継続しており、大統領とPDVSAとの対立が解消しない限り、原油生産の完全回復は望めそうにない。 PDVSAはベネズエラ経済そのものと言っても過言ではないだろう。国の輸出額の八割、歳入の五割、国内総生産(GDP)の三割を、このたった一社が担っている。PDVSA総裁や外相も歴任したカルデロンベルティ氏は「国営とはいえメジャー(国際石油資本)と肩を並べる優良企業。四十を超える職級で選り分けられた能吏の集団だ」と評する。 給与も他の公務員よりも大幅に高いとされ、同国のエリートの象徴でもあるPDVSAは、大衆路線で支持を集めるウゴ・チャベス大統領の格好の攻撃対象となった。チャベス氏は一九九八年の選挙戦で「新たな製油所をつくるなら、先に学校や病院を建てるべきだ」と訴えて同国の人口の五割を占める貧困層の絶大な支持を得て当選。政権に就いてからも石油関連施設の国際入札を中止したり、合弁プロジェクトでのPDVSA出資比率を五〇%以上に引き上げることなどを規定した「炭化水素法」を導入したりして資源ナショナリズムを煽った。

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