「ポスト・サッダーム」に欠けている視座

執筆者:大野元裕 2003年4月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東 北米

アメリカの描く政権転覆と「占領統治シナリオ」は実現性に疑問符もつく。「いつ」「誰が」「どのような状況下で」政権を崩壊させるかによって、後継政権のキープレイヤーは変わる。イラク・スペシャリストが注目するポイントは……。 アメリカは現在、イラクに対する武力行使の準備を着々と進めているようだ。ホワイトハウスのアリ・フライシャー報道官は「サッダームの大量破壊兵器を軍事力により破棄した後に、(イラクを)再軍備化させることはない」と述べており、武力行使が開始されれば政権転覆以外の可能性は低いだろう。 しかしその一方で、アメリカは政権転覆後のイラクをどうするつもりなのだろうか。またアメリカの描くポスト・サッダームのシナリオは妥当であろうか。     * 米軍はイラク政権を転覆した後、数年間にわたりイラクを占領統治し、民主イラクの構築を目指すとされている。エリック・シンセキ米陸軍参謀総長は、米議会軍事委員会で駐留する米軍の規模は数十万人に達すると発言している。 イラクに対する武力行使の目的が国際社会に対する脅威の除去にあり、アラブ・イスラーム世界に無用の摩擦を生じさせないためには、本来、サッダーム政権が廃された後にイラク人が選択した政権が樹立されることが望ましい。

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