饗宴外交の舞台裏
饗宴外交の舞台裏(63)

ケベックとカタルーニャの交流がもたらすもの

西川恵
執筆者:西川恵 2003年4月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ 北米

 国と国の外交関係とは別に、いま異なる国の地方同士が中央政府を介さずに直接関係を結ぶケースが増えている。地方の発言力の増大と、地方同士の連携は、中央政府を足元から揺さぶり、長期的にその統治基盤を掘り崩している。 スペイン・カタルーニャ自治州政府のアルトゥール・マス首相ら州政府代表団が二月中旬、カナダのケベック州を公式訪問した。両州は一九九六年に協力協定に調印して以来、経済、文化、社会の各分野で交流を深めてきた。二月十七日夜、ケベック州政府のベルナール・ランドリー首相主催の歓迎晩餐会がケベック市の州議会内で、その名も「議会議員」というレストランで開かれた。《料理》 二枚貝と海老のタルタル料理、エストラゴン風味のお酢で 牛のコンソメスープ 牛のフィレと胸腺肉、フォアグラ・ソースで 地元のチーズ三種とサラダ 胡桃のチョコレート・ケーキ《ワイン》 シャブリ ラロッシュ99年 シャトー・トレタン99年 カナダで唯一のフランス語圏のケベック州はフランスとの精神的つながりが強い。カナダ産、米国産、チリ産などあまたワインはあるが、正餐となるとやはりフランスワインである。魚介類に合わせたシャブリのラロッシュは最高級格付け。肉に合わせたシャトー・トレタンはボルドー地方ラランド・ド・ポムロール地区の赤で、濃厚でタンニンに富む(ここのワインは格付けがない)。

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執筆者プロフィール
西川恵
西川恵 毎日新聞客員編集委員。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、論説委員を経て、今年3月まで専門編集委員。著書に『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、本誌連載から生れた『ワインと外交』(新潮新書)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。本誌連載に加筆した最新刊『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)が発売中。
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