地球を「恐怖」が駆けめぐる

名越健郎
執筆者:名越健郎 2003年4月号
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

 北朝鮮の金正日労働党総書記が得意とする瀬戸際外交が、今回は効果を挙げていない。核開発を公然と認め、ミサイルを発射しても、イラク攻撃の準備に熱中する米国が一向に対話に乗ってこないからだ。 ブッシュ大統領扮する警官がイラクのフセイン大統領の体を徹底的に調べるわきで、金総書記が服を脱ぎながら、「わたしも調べてくれ」と警官に懇願する風刺漫画も米紙に載った。米政府には相手にされなくても、ジョークの世界では、金総書記は次第に国際的な存在感を持ってきたようだ。 パウエル国務長官がブッシュ大統領に報告した。「よいニュースと悪いニュースがあります。よいニュースは、査察団が遂に、核開発の決定的証拠を発見しました」「悪いニュースは何だ」「核開発が発見されたのは、イラクではなく、北朝鮮です」 ホワイトハウスの記者会見で、記者団がフライシャー報道官に尋ねた。「北朝鮮が核開発を認めたのに、開発の証拠が見つからないイラクを安保上の脅威とみなすのはなぜか」「自供した容疑者の取り調べは、司法当局に委ねるものだ」 韓国と北朝鮮で続く激しい反米デモについて報告を受けたブッシュ大統領がコメントした。「過去50年間、南北をこれほど団結させたアメリカの政権はなかった」

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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