中国経済の行方を担う注目すべき「二つの新組織」

執筆者:吉田隆文 2003年5月号
エリア: 中国・台湾

[北京発]業績不振の国有企業と膨らむ金融機関の不良債権――。中国経済が抱える二つの難問に取り組む政府機構が発足した。「国有資産監督管理委員会」(国資委)と「中国銀行業監督管理委員会」(銀監会)だ。この二つの省庁は、胡錦濤国家主席―温家宝首相の新政権が取り組む改革の司令塔となる。 天安門広場にほど近い官庁街に建つ国家経済貿易委員会(経貿委)の庁舎。四月六日午前十時過ぎ、北門から出てきた三人の職員が古い看板を外し、「国有資産監督管理委員会」と書かれた新しい看板を掲げた。権限のおよぶ国有資産は総額約十一兆元(百五十七兆円)。国有企業改革を進めるために立ち上げたスーパー官庁だ。トップに就任した李栄融氏は、朱鎔基前首相の信任が厚く、旧経貿委の主任(閣僚)を務めてきた産業政策通として知られる。 朱前首相が一九九八年の就任直後に実施した政府機構改革で誕生した経貿委は、「中国版経済産業省」とも言われ、機械工業省、化学工業省、国内貿易省などを吸収、産業政策などを立案する改革の拠点となってきた。しかし今回の政府機構改革で経貿委は、国家発展改革委員会や商務省、国資委などへ機能別に解体。改革路線の移行を象徴する出来事となった。

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