FRB 米連邦準備制度理事会

執筆者:斉藤大輔 2003年5月号
エリア: 北米

3月18日のFOMC(連邦公開市場委員会)後に出された「景況判断を留保する」との異例の声明は、カリスマ議長グリーンスパンの指導力低下の結果とも言われる。湾岸戦争当時に奇妙に似てきた政治・経済情勢の中で、FRBはどう動くのか。 後から振り返れば、二〇〇三年三月十八日に米連邦準備制度理事会(FRB)が開いた連邦公開市場委員会(FOMC)は、グリーンスパン議長の内部統治能力の決定的な低下を関係者が確認した日になるかもしれない。 確かに、対イラクの開戦前夜に経済への影響を明確に見通せ、と言われてもできない相談なのは分かる。だが、当面の政策運営方針となる景況判断を「留保する」とは誰も思っていなかった。恐らく二月の議会証言で比較的楽観的な見通しを示したグリーンスパン議長と、下振れリスクを警戒する他のメンバーとの意見が調整できなかったのだろう。FRBは「内部が割れている」と見られることを嫌う一方で、政策判断を事後的に公表する透明性も強く求められる。時に矛盾する両者を巧みに埋め合わせてきたのがグリーンスパン議長その人だったのだが、今回は「判断留保」という異例の措置を取ることにより、透明性を犠牲にした。元FRB副議長のアラン・ブラインダー米プリンストン大教授は「失う代償は大きい」と見る。

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