中東民主化ドミノを狙うアメリカの「野望」

会田弘継
執筆者:会田弘継 2003年5月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東 北米

ネオコン派はなぜ評判の芳しくないINCのチャラビ代表を推すのか。そこには、サウジ民主化、パレスチナ和平、OPEC解体すら見据えた中東全域に対するアメリカの思惑が隠されている――。[ワシントン発]「いま目の当たりにしているのは、イラクの政権中枢の崩壊だ」。米東部時間四月九日午前十時。米ブッシュ政権タカ派の筆頭、チェイニー副大統領は全米から集まった新聞編集幹部の前で演説し、バグダッドの陥落を事実上宣言した。副大統領が公式の場に顔を出したのはイラク戦争開戦以来初めて。それがバグダッド陥落が進む最中だったのは、偶然にしては出来すぎなほどだった。 南部ルイジアナ州ニューオーリンズ市のフェアマウント・ホテルで開かれた全米新聞編集者協会年次総会。つい数日前まで、クウェートから快進撃した米陸軍第三歩兵師団、第一〇一空挺師団が、一時的に延び切った補給線と、イラク側の散発的ゲリラ攻勢で立ち往生したのを見て、全米のメディアは「イラク戦泥沼化か」と、作戦を批判的に報じていた。批判の矢面に立たされたのは、開戦前に「戦争になれば、あっという間に終わる」と言っていた、ほかならぬチェイニー副大統領らタカ派指導者だった。

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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