「ネオコン派」の天下はいつまで続くか

吉崎達彦
執筆者:吉崎達彦 2003年5月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

ブッシュ大統領を動かす新保守主義者(ネオコンサバティブ)たちは、決して異様異端のタカ派集団ではない。彼らの思想的背景と政権内での影響力の変化を知ることが、戦後、米国が進む方向を予測するカギとなる。 ワシントンにある政策シンクタンクは千を超えるといわれる。アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)やブルッキングス研究所のような名門と呼ばれるものから、専門分野に特化したもの、果ては研究者が一人で看板を掲げているものまで、入り乱れるように互いのアイデアを競いあっている。政策シンクタンクこそは、アメリカの民主主義を支える貴重なインフラといえよう。 当然のことながら、シンクタンクの中にも浮き沈みがあり、人材の移動がある。そして政権交代のたびに、ワシントンの地図は塗り変えられる。現在のブッシュ政権が重用しているシンクタンクとしては、外交では戦略国際問題研究所(CSIS)、経済ではAEIが東西の横綱格、少し下がってヘリテージ財団といったところだろうか。 そんな中で、外交政策集団であるPNAC(Project for New American Century:新しいアメリカの世紀のための計画)は赤丸急上昇の注目株だ。一九九七年にウィリアム・クリストル、ロバート・ケーガンの二人が創設したこの小さなグループは、今日では新保守主義、いわゆるネオコン派の総本山として知られている。PNACの設立趣意書にサインした人物の中には、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ウルフォウィッツ国防副長官といった現政権の中枢ラインの顔触れが並ぶ。イラク戦争を演出したタカ派人脈が、ほぼそのまま入っているといっても過言ではない。

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執筆者プロフィール
吉崎達彦
吉崎達彦 双日総合研究所チーフエコノミスト。1960年(昭和35年)富山市生まれ。一橋大学社会学部卒業後、1984年日商岩井(現双日)に入社。米国ブルッキングス研究所客員研究員、経済同友会調査役などを経て現職。新聞・経済誌・週刊誌等への執筆の他、「サンデープロジェクト」等TVでも活躍。また、自身のホームページ「溜池通信」では、アメリカを中心に世界の政治経済について鋭く分析したレポートを配信中。著書に『溜池通信 いかにもこれが経済』(日本経済新聞出版社)、『1985年』(新潮新書)など、共著に『ヤバい日本経済』(東洋経済新報社)がある。
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