なぜ江沢民批判が沸騰したのか

執筆者:藤田洋毅 2003年6月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

中国の民衆の間では、江批判が飛び交っている。この期に及んで旧態依然の手法をとっていては無理もないが、SARS禍が長びけば巻返しも……。♪我々は「東方紅」を歌いながら、国家の主人公として立ち上がった 我々は「春天的故事」を語りながら、改革・開放で豊かになった よき伝統を受け継ぎ未来を拓く指導者が、我々を率い新たな時代へ導いた 高らかに旗幟を掲げ未来を拓こう♪ 江沢民・中国共産党中央軍事委主席の歌声が高らかに響く。カラオケ好きの江の十八番として幹部らに知られる「走進新時代(新たな時代を歩む)」の、さびの一節である。「東方紅」が毛沢東、「春天的故事(春の物語)」がトウ小平を称える歌だったのと同様、「走進新時代」は江に捧げられた賛歌である。我が世の春を謳歌する江の笑顔が目に浮かぶようだ。 無理もない。李鵬、李瑞環ら同世代の指導者をすべて引退に追い込み、自らは党中央軍事委主席に留任して最高統帥権を保持。胡錦濤総書記、温家宝首相ら新指導部の後ろ盾として君臨する。軍権に加え、台湾問題を含む対外関係、高官人事の三分野で江は最終決定権を握っていると、党中央のある高官は解説した。難題の農業や国有企業改革などは新指導部に丸投げし、江は最もリスクの少ない仕事をこなす……。だが、そんな江の目論見が早くも揺るぎ始めたようだ。

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