戦争は終わらない

名越健郎
執筆者:名越健郎 2003年6月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

「It's the economy, stupid」(問題は経済なんだ。お馬鹿さん)。1992年の米大統領選挙戦で、アーカンソー州のクリントン知事の選対本部の窓に貼られた手書きのスローガンは、またたくまに全米に広がり、湾岸戦争を勝利に導いたブッシュ元大統領の再選を阻む原動力となった。 長男のブッシュ大統領が5月1日、空母の艦上で「主要な戦闘行動の終了」を宣言しながら、「イラクにはまだ困難な任務が残っている」と“勝利宣言”を慎重に避けたのは、宣言した途端、「It's the economy, stupid」と民主党が言いかねないためだろう。「勝利宣言は来年の大統領選終了後」という話もある。 ブッシュ大統領が「戦争は終わっていない。まだ抵抗の動きがある」と発言した。記者団が一体誰が抵抗しているのか尋ねると、大統領が答えた。「バーブラ・ストライサンド、スーザン・サランドン、マイケル・ムーアらだ」 映画監督のマイケル・ムーアがアカデミー賞授賞式でブッシュ政権を激しく非難した。記者団が発言に驚いたかと大統領に尋ねた。「驚いた……ムーアがスーツを持っていたことに」 バグダッド陥落の報告を受けてブッシュ大統領が側近に言った。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
価値あるバックナンバー
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順